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文香
文香(ふみこう)を皆様ご存知でしょうか?意外と知られてないものではありますが、歴史は古く日本の文化にとても親しみ深く素敵な文化の一つであります。
文(ふみ)が香(かおる)と書くように、手紙と共に香りを送る匂い袋の事です。時代は平安時代にまで遡り、ふみを交わす男女の間で行われていた想いを伝える一種とされその文化は形成されていました。
紙に香りをたきしめることは、平安時代の貴族たちにとってとても重要でした。
というのも、当時の男女の付き合いはまず、恋文から始まります。
手紙は初めから目当ての姫君に届くとは限りません。
まず姫君の周囲にいる女房や乳母などが手紙をひらき、男性の品定めをします。
紙の種類や、手紙に添える折り枝(梅や藤など様々)の趣味、文字の筋、和歌の腕前、
そして紙にたきしめられた薫物の香りも。
[麻布 香雅堂]http://www.kogado.co.jp/wp/?p=296
小さな小さな巨人
テレビでも香りを届けられたらいいのにと子供ながらに思った記憶はないでしょうか?手紙にしたためた想いと匂いを届けられる文香は素敵だとは思います。季節の花や旬な香りを同封したら季節を共有でき届けることがもちろん可能です。ちょっとしたプレゼントにもなるあたりは中々乙な文化だと思います。
季節と共に
先ほども紹介いたしましたが、季節の香りを届けられるのは手紙ならではの部分が大きいと思います。これだけ発達したコミュニケーションツールがあるなかで、メッセージと共に匂いを共有できるツールは中々でてきておりません。
時代が進化すれば可能かもしれませんが、手紙の程よいタイムラグと匂いと季節を”その人”と共有できるのは素敵なことではないでしょうか。デジタルな時代だからこそ、アナログな良さが見え隠れし、文化の継承となっていくことを願っておりますし、粋な文化は残って欲しいと思うばかりであります。
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