ヘンリー8世の妻キャサリン・オブ・アラゴルンが夫と子供メアリーに送った手紙

アラゴン王フェルナンド2世とカスティーリャ女王イザベル1世との間の末子としてアルカラ・デ・エナーレスでキャサリンは生まれた。キャサリンはヘンリー8世と1509年に結婚し最初は仲睦まじい生活を送っていた

しかし、キャサリンは度重なる流産と死産に見舞われ、1511年に男児ヘンリーを出産したが、53日間で亡くなっている。1516年に生まれた女児メアリーであったため、ヘンリーの愛情は徐々に冷えてしまう。ヘンリーは後継ぎが欲しいという気持ちが高まり、年をとって次第に出産が難しくなるキャサリンとは離婚して、別の女性を王妃にして産ませようと考えるようになった。

キャサリンが夫ヘンリー8世とわが子メアリーに送った本音の手紙

My Lord and Dear Husband,
私の愛する夫へ

I commend me unto you. The hour of my death draweth fast on, and my case being such, the tender love I owe you forceth me, with a few words, to put you in remembrance of the health and safeguard of your soul, which you ought to prefer before all worldly matters, and before the care and tendering of your own body, for the which you have cast me into many miseries and yourself into many cares.For my part I do pardon you all, yea, I do wish and devoutly pray God that He will also pardon you

私の気持ちをあなたに伝えます。私の死ぬまでの時間は刻々と近づいてきています。私の場合、この柔らかなあなたへの愛と少しの言葉で健康と魂に守られたあなたを追憶します。この世界にどんなことが起ころう前に、あなたが望んでいだことです。あなたのことを愛護する前に、あなたは私をたくさんの悲しみに放り出し、あなた自身もたくさんの面倒へと追いやったのです。
私はあなたのしたこと全てを許してあげます。私は心から、彼がまた私を許してくれることを強く願っています。

For the rest I commend unto you Mary, our daughter, beseeching you to be a good father unto her, as I heretofore desired. I entreat you also, on behalf of my maids, to give them marriage-portions, which is not much, they being but three. For all my other servants, I solicit a year’s pay more than their due, lest they should be unprovided for.
Lastly, do I vow, that mine eyes desire you above all things.

ねぇメアリー、他にあなたに伝えることといえば私たちの娘はあなたにいい父親であってほしいと願っているわ。私がこれまでにずっと望んでたのと同じように。そして代表して私があなたにお願いすることは、3人の娘たちに少しばかりの結婚持参金をもたせてよってほしいの。私の全ての使用人たちに、彼女たちが備えに困らないためにも年間の給与をもっと公平に与えてほしいんです。
最後に誓います。私の心ははどんなものよりもあなたのことを望んでいるのです。