スティーブン・フライが送った手紙と人生の困難に対峙した時のマインドと考え方

2006年、クリスタルナンという女性は、かなりの鬱状態で、その状態を良くするためにも信頼できる誰かを必要としていました。そこで彼女のヒーローであるスティーブンフライに手紙を書くことにしました。

フライは、双極性障害を持ち性同一性も抱える中で、様々な苦難を乗り越え幅広く活躍しており、彼女にとってはアドバイスをもらいたい人物でもありました。

スティーブン・フライ wikipedia

イギリスの俳優、作家、ジャーナリスト、コメディアン、司会者、映画監督。ラジオ・テレビなどへの出演も非常に多い。軽度の双極性障害を患っている。またゲイであることを公表している。90%はゲイであるが、時折、女性に魅力を感じることもあると語っている。全寮制のパブリック・スクールに通っていた少年時代は同性愛者であることを隠さなければならず、1979年から1995年までの16年間、性体験は一切なかったと語っている

 

スティーブン・フライから困難を乗り越えるためのアドバイス

Dear Crystal,
クリスタルへ

I’m so sorry to hear that life is getting you down at the moment. Goodness knows, it can be so tough when nothing seems to fit and little seems to be fulfilling. I’m not sure there’s any specific advice I can give that will help bring life back its savour. Although they mean well, it’s sometimes quite galling to be reminded how much people love you when you don’t love yourself that much.

あなたの今の状況を聞いてとてもお気の毒に思います。神は知っています、何も自分に合わない時はとても辛い状況であること、そして少しでもやりがいを感じられることも。人生を変える何かいいアドバイスをできるかはわかりません。たくさんの人はあなたのことを愛していることは確かです。あなたがそれほど自分自信を好きになれない時に。

I’ve found that it’s of some help to think of one’s moods and feelings about the world as being similar to weather:Here are some obvious things about the weather:

私は、人の気分というのは世界の天気と似ていることに気がつきました。ここにはいくつかのはっきりとして天気についてのことがあります。

It’s real.You can’t change it by wishing it away.If it’s dark and rainy it really is dark and rainy and you can’t alter it.It might be dark and rainy for two weeks in a row.

これは事実です。あなたは願うことによって何かを変えることはできません。もしも雨が降っていて薄暗かったならそれは変えることができません。それは2週間続くかもしれません。

BUT It will be sunny one day.It isn’t under one’s control as to when the sun comes out, but come out it will.One day.

ですが、いつの日か晴れるでしょう。それは誰かがコントロールしているのではなく太陽が出てきたからなのです。

It really is the same with one’s moods, I think. The wrong approach is to believe that they are illusions. They are real. Depression, anxiety, listlessness ? these are as real as the weather ? AND EQUALLY NOT UNDER ONE’S CONTROL. Not one’s fault.

これは本当に誰かの気分と同じようなことです。悪いことが近づいてくることは、 それは何か幻覚か何かだと信じることです。
それらは事実なのです。心配や不安や無気力などは、天気のようなものなのです。そして、公平にだれにもコントロールはできません。だれも悪くないのです。

BUT They will pass: they really will.

ですが これらは乗り越えることができるでしょう。

In the same way that one has to accept the weather, so one has to accept how one feels about life sometimes. “Today’s a crap day,” is a perfectly realistic approach. It’s all about finding a kind of mental umbrella. “Hey-ho, it’s raining inside: it isn’t my fault and there’s nothing I can do about it, but sit it out. But the sun may well come out tomorrow and when it does, I shall take full advantage.”

天気を受け入れないといけないことは、あなたの人生の中での気持ちを受け入れることと同じことなのです。「今日はうんざりだ」なんていうのまさに現実的にありえることです。それらはすべて感情の傘のようなものなのです。「ヘイホー、中が雨で濡れているよ。これは何もできることがなくてただ外に出ただけで私が悪いんじゃないの。明日にきっと太陽が出てきて、私も調子が良くなると思うわ。

I don’t know if any of that is of any use: it may not seem it, and if so, I’m sorry. I just thought I’d drop you a line to wish you well in your search to find a little more pleasure and purpose in life.

残念ながらこれらが役に立つかどうかはわかりません。私はただあなたが少しでも何か目的を人生の中で見つけられたらいいなと思い手紙を送ることにしました。

Very best wishes
Stephen Fry

健闘を祈ります。
スティーブンフライ